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ミルクのジャムと言えば、業界ではその名を馳せるパティスリー「菓子sパトリー」。 牛乳から作った濃厚で甘い「ミルキッシュジャム」でモンドセレクション6年連続金賞を受賞し、 世界にまで広めました。
そんな製菓長に、ミルキッシュジャムの誕生秘話をうかがいました。
神戸ポートピアホテル、ホテル阪急インターナショナルを経て、「菓子sパトリー」で約2年、 スーシェフ(2番手)として働いていました。シェフパティシエの方が独立することになり、 「次は誰をシェフに?」という話になったとき、僕に白羽の矢が向けられました。
正直に言うと、以前のシェフの存在がものすごく大きくて……。 どうすれば、「菓子sパトリー」を自分カラーに変えていけるか、本当に模索の日々でした。
ホテルの1階にあるパティスリーらしく、宿泊客の方にも喜んでいただける、 お土産になるような商品ができないだろうか?とずっと考えて続けていたんです。
お土産になるようなものをと考えている中で、某全国有名雑誌の編集部の方から、 「お取り寄せの特集をするので、おすすめのジャムを送ってくださいますか?」 というお問い合せを受けたことが引き金となりました。
お問い合せを受けて、どれにしようかと大変悩みました。 もちろん、当時もさまざまなジャムを作っていて、イチゴのジャムやマーマレードなど、 力を入れていたフルーツのジャムを送ろうかなとも考えたのですが、 何かちょっと変わったものを送れないだろうかと思って。
「菓子sパトリー」は「ホテルピエナ神戸」というホテルの中にあるパティスリーなのですが、 僕はホテル内のフレンチレストランのデザートなども考えているんですね。 その頃に、レストランでリンゴにミルクジャムを絡めたデザートを出していたんです。
このときは、あくまでもリンゴが主役。ミルクジャムは隠し味的に使っていたのですが、 この、ミルクジャムはどうかなと思い、瓶詰めにして送ってみたんです。 そうしたら、1ヶ月後くらいに編集部から 「ジャム部門でグランプリを受賞されました」って連絡をいただいて…。
まだ、商品としてきちんと販売していなかったので、 この受賞をきっかけに商品化することになりました。 その雑誌掲載をきっかけにテレビ番組で取り上げられたりもして、注文が殺到。 一挙に1万件近く、約2万個の注文を受けました。
その頃、ミルキッシュジャムは、1日100個しか作れなかったんですね。 ですので、注文は一旦ストップして、注文を受けた分のジャム作りに励みました。 お客さまに待っていただきながら、工場での製造体制も工夫し、1日500個を作れるようにし、 なんとか約2万個すべての注文を作り終えたあと、再び受注を再開。
ホームページに「再開のお知らせ」を告知しました。この時点で、
僕は再開したとしても、もうそんなには反響はないだろうと思っていました。
雑誌やテレビの反響がそう長くは続かないだろうと思っていたんです。
でも、また最初と同じくらいの注文があったんですよ!
一度注文してくださった方が、
またリピートしてくださる確率もすごく高くて……。
僕にとっては、それがうれしくてうれしくて!
ようやく、自分に自信が持てるようになった気がしました。
北海道の産地指定の高脂肪分生乳と砂糖と練乳、 タヒチ産バニラビーンズを銅のボウルでじっくりじっくり煮詰めて作るミルクジャムです。 焦げないようにひたすらかきまぜながら、煮詰めることおよそ3時間。とろみがついたら出来上がりです。
ビンの形も、ミルクジャムのイメージに合わせてオリジナルでデザインから考えました。
丸いフォルムと花の形がかわいいと評判です。
現在、ミルキッシュジャム系やフルーツジャム・2層ジャムなど18種類あります。 ミルキッシュは、塩味、抹茶味、ショコラ、珈琲、紅茶など。
このジャムにバターを加えて作るキャラメルもあるんですよ。 銅のボウルでじっくりと手作り、これがうちらしさです。 ジャムが炊き上がるときの手に感じるトロリとした重みは、 手作業でしか感じられない感触なんです。
最後になりましたが、ミルキッシュジャム(R)を主役に 楽しい展開ができればいいなと思っています。 ただ、これは僕1人でできることではないので、 スタッフのみんなに助けてもらいながら、 成長していけるといいなと思います。












































